著者:樋口裕一
発行:KKベストセラーズ
大学受験生への小論文指導で人気を博し、今では小学生から社会人までの文章を指導を担い、そして数々の著書をお持ちの樋口裕一さんによるブログ指南書です。
樋口さんは本書の中で「読者を意識すること」を繰り返し強調しています。「読者への意識」を軸にブログ文章の指南が展開されます。
第2章に『「読ませる文章」に仕上げる三つの条件』なるものが登場します。その条件を引用します。
(1) 読み手が知らない情報が含まれている
(2) 読み手にはない体験が含まれている
(3) 誰もが知っている有名人が書いている
見事なまとめ方です。
このように「読ませるブログ」にまつわる知識や手法が、本書の随所に整理整頓されています。
漠然と感じていたこと。それが言語化され目の前に提示されます。そのおかげで断片的だった考えが知識となり、その知識が自分の血肉になるのを感じます。頭の中にバラバラに浮かんでいたピースが整理され、1枚の絵になるようです。
まとめ方もさることながら、読みやすさも格別でした。あまりにも読みやすく1時間程度で読了。読みにくさが微塵もなかったのに驚きです。小論文指導の第一線で活躍し続けているのは伊達ではありません。
ただ、小論文指導の呪縛なのでしょうか、何から何まで「白か黒か」でモノを語るのが鼻につきました。いわゆる「二項対立」です。
「世間では○○と言われているが、私は○○とは思わない。△△と考える」
小論文指導の王道の形式です。しかし、現実には「真っ白」や「真っ黒」よりも圧倒的多数の「グレー」が存在します。意図的なのか無意識なのか「グレー」を排除しているように感じました。
何というか、この本のわかりやすさって、面倒な視点を排除して、対比構造を浮き上がらせた結果なのですよね。読んでいる途中で悟りました。
正直なところ、本書でものの見方や考えが深くなるわけではありません。物足りなさを感じます。
けれども、ここまで「読ませるブログ」の書き方を端的にわかりやすく書いた文章もなかなか存在しないでしょう。その点で実に希有な存在です。
「ネタがなくてブログを放置している」「飽きたので開店休業状態」「つまらない日記風ブログに陥っている」といった諸症状を抱えているならば、一読するべきです。もちろんこれからブログを始めるという方にも背中を押してくれる1冊です。
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