著者:魚戸おさむ、(脚本)北原雅紀
発行:小学館
「ビッグコミックオリジナル」に連載中の漫画です。
「食の安全」「食の危機」という観点で貫かれた前半3話に感心させられました。
「食の安全」「食の危機」というと、残留農薬や有機栽培などの話だけに傾きがちです。
ですが今回は、それだけにとどまらず、「作っている人の顔が見えること」「和食の調理法は有害物質を取り除くという点で優れていること」「食料自給率の低下が招く食料危機」など視野の広さをうかがえます。
コミックバンチに連載中の『コンシェルジュ』にも同テーマの話があり、それにもかなり感心させられました。ですが、今回はそれを凌ぐものであったと言っていいでしょう。
日本だけで供給できる献立のアイデアには一本取られました。「この献立の大半は輸入物だ」などと語るより、よっぽど説得力があります。
取材や勉強・研究には大変苦労しているような気がします。ぜひがんばっていただき、目からうろこが落ちるような作品を読んでいきたいです。