2009年2月28日土曜日

サイエンス・アイ新書『マンガでわかる記憶力の鍛え方 苦手な科目の暗記ができないのは? ど忘れをなくす方法は?』

著者:児玉光雄
発行:ソフトバンク クリエイティブ

「記憶力を鍛える」方法について解説した入門書です。
「○○式」のような様々な「記憶術」と呼ばれているものがありますが、そのような「術」を伝授するものではなく、一般的な記憶のメカニズムをわかりやすく解説しています。

今までにこのような「記憶」「暗記」に関する本を読んだことがあると、この本は物足りなく感じるかもしれません。

逆に言えば、今までに類書を読んだことがなければ、「記憶」「暗記」に関する基本事項は一通り身に付く本です。

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ちくまプリマー新書『地学のツボ 地球と宇宙の不思議を探る』

著者:鎌田浩毅
発行:筑摩書房

つい先日、同じ著者の『マグマの地球科学』を読んだばかりですが、意図せず同じ著者の本を手に取っていました。
今年2009年は「国際宇宙年」なので、天文関連の本が増えるだろうとは思っていましたが、地学分野の本が全体に盛り上がりがあるのかもしれません。

この本の内容は、京都大学で行われている「地球科学入門」という講義が元になっているそうです。文系の学生が多く受講しているとのことで、かなりかみ砕いて解説されています。

章立てを目次から引用します。

第1章 地球は生きている ー地震と火山
第2章 地面は動く! 地学におけるコペルニクス的転換
第3章 地球の歴史
第4章 地球変動による生物の大絶滅と進化
第5章 大気と海洋の大循環
第6章 地球の外はどうなっているか ー太陽系と地球
第7章 進化し続ける宇宙への探求

専門が火山学、地質学とのことで、やはりこの内容が少し多めです。でも、全体として大きな流れができており、分量の多さは目次で見るほどには気になりません。

「ちくまプリマー新書」という性格上、難解な表現は出てきません。ですが、内容は本格的です。
教養としての地学を身につけるのにふさわしい一冊です。また、これから地学を学ぶ高校生が予習として読んでおくと、授業の理解が進みそうです。

知的好奇心を刺激するおもしろい一冊でした。

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2009年2月22日日曜日

『エッシャーの描法で不思議な絵が誰でも描ける だまし絵の描き方入門』

著者:杉原厚吉
発行:誠文堂新光社

タイトルのうたい文句の通り、誰でも描けるだまし絵の描き方を解説した本です。

上に挙げたようなような図形が、いわゆる「不可能図形」です。2次元上だからこそ表現できる立体図形のことです。
(今では模擬的に3次元空間上に不可能図形を表現することも行われています。)

この本では、そんな「不可能図形」を分類し、そして誰でも描ける方法を解説しています。
上の図形も、この本に触発されて、そしてなぜかそれをドット絵で表現したくなって描いたものです。

人は選ぶかもしれませんが、こういう図形の心ときめく人が必ずいるのでしょうね。こう書いている僕が、心ときめいて思わず買ってしまったわけですし。こういう本が学校図書館や公共の図書館にあると、食いつく小中高校生が出てくることでしょう。

まだまだだまし絵を描きたいと思っている今日この頃です。


○だまし絵や不可能図形がたくさん掲載されているウエブページ『Planet Perplex』(海外サイト)
 http://www.planetperplex.com/en/index.html

○この本の著者 杉原厚吉さんのウエブページ
 だまし絵に関する論文なども置いてあります
 http://www.simplex.t.u-tokyo.ac.jp/~sugihara/Welcomej.html

○杉原厚吉さんの著書『へんな立体』『すごくへんな立体』

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『スケッチブック』(5)

著者:小箱とたん
発行:マックガーデン

コミックブレイド』に連載されている4コママンガ(たまに4コマ形式ではない漫画になることもあります)です。
美術部の個性的な部員たちが活躍する、いい意味で「ゆるい」漫画です。
イベントがあるわけでもなく、恋愛や喧嘩・争い事があるわけでもなく、なんてことのない日常を切り取られ、この「ゆるさ」が演出されています。

友達との何気ない会話、買い物の風景、ふと感じる季節感。
どれもなんてことのないことなのですが、こんなことの積み重ねが日常なんだと感じさせてくれます。

次に書くことは、僕が漫画から感じる予測です。

この「ゆるさ」を生み出す源は、作者である小箱とたんさんの日常を切り取る「観察眼のセンス」と学生時代の経験を忘れない「思い出への執念」の2点あるような気がします。

小箱とたんさんが持っているいろいろな要素(猫好き、倹約好き、植物・虫好き、お笑い好き、……)が、美術部員たちの各個性になっている気がします。小箱とたんさんの分身として、そして、その要素が濃縮されて、各キャラクターが生み出されている気がします。たくさんある要素が「観察眼のセンス」につながっているのだと思います。
言葉をいじくり倒し遊びこね回すセンスも好きです。ネタバレしたくないので書きませんが、「ナマケモノ」「三尾」という言葉を、よくぞこういじくれるなと感心します。
p.72の「さばだば」「さらば」の2本、キャラクターを活かしている点、言葉遊びのセンス、音があるはずのないのに頭の中に音楽が流れ込んでしまう点、どれをとっても大好きです。

高校生ならでは(特に文科系部活ならではの)ゆったりとした空気もよく出ていると描かれていて感心します。この空気は経験していないと出せない空気だと思います。連載7年目にしていまだに現役高校生ということはないでしょうから、この経験を執念で覚えているのかと思います。もしかしたら、美術部の先生なのかなとも少しは思いますが。

よつばと!』とはまったく異なる「ゆるさ」の漫画です。文科系部活のゆるい空気を感じたい人にはうってつけの漫画です。言葉をこね回すのが好きな人にもお勧めです。
マンガ喫茶ではあまり見かけません。書店で手にとってみるのがいいでしょう。


○アニメ版『スケッチブック』(スケッチブック ~full color's~)公式ページ
 http://www.sketch-full.net/

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2009年2月18日水曜日

『吉本隆明 自著を語る』

著者:吉本隆明
発行:ロッキング・オン

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『宇宙授業』

著者:中川人司
発行:サンクチュアリ出版

元宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員で、現在高校の先生をしている方による著書です。

宇宙や地球に関する素朴な疑問に答えるという形で、宇宙の不思議について解説をしています。分かりやすい切り口と平易な言葉を使った解説は、まさに「授業」という名にふさわしいものになっています。

しかし、この本には「授業」という言葉だけでは形容できない雰囲気を持っています。

文章の分類としては「説明文」に属しています。専門用語を使うわけでもなく、難しい概念をイメージしやすいたとえでもって解説する文章力は見事です。
(蛇足ですが、小学校高学年~中学生くらいへの説明文要約の練習課題としてもお勧めできます。)

この本がただの「説明文」で終わらない理由は、各説明の最後に入れてある「一言」のおかげでしょう。
例えば、冒頭「宇宙人はいますか」と題された文章の最後には、こんな言葉で締めくくられています。

宇宙のドアをノックし続ける。
まだ見ぬ友達に聞こえるように。

これで1つの詩を読んでいるような気分になります。

中川さんの宇宙に対する大きな期待も、文章ににじみ出ています。
JAXAで働いていたという経歴を持っているからでしょう、宇宙へのロマンを随所にちりばめています。宇宙事業がもとらす恩恵や宇宙活動への可能性など、期待を素直に示すことで、読んでいる側も引き込まれます。

この本も、前の『おしえて♪♪ 音の探偵さん』と共に図書館で見つけてきたものです。
深い話のはずなのに気軽に読める良さがあります。思わぬ収穫がありました。図書館には本屋とは違う魅力があるから、図書館通いは楽しいのです。

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『おしえて♪♪ 音の探偵さん』

編集:ブックポート編集室 音の探偵局
発行:フェリシモ

「音をオシャレに楽しむ7つのヒント」と題して167枚もの音楽CDを紹介している本です。

167枚を7つのパートに分けて、1枚1枚詳細な解説がなされています。

7つのパートを列記します。
○relaxation time 疲れを癒し、心を潤すサウンド
○intelligence time 音楽通になる、おもしろネタCD
○imagination time 旅に思いを馳せる、世界の音楽
○communication time 家族で楽しむ、懐かしいあの歌
○lovely time 愛に包まれる、選りすぐりの映画音楽
○beautiful time おしゃれ気分を満喫する、ビューティフル・ソング

なじみのないコーナーやアーティストから、新しいCDを見つけるのは難しいものです。本であれば立ち読みという手段がありますが、CDだと試聴という手段はあるものの限界があります。

この本では、ただ単に売れているからという観点でセレクトされているわけではありません。この本がありがたいのは、何年たっても色あせないできた曲であったり、これからも聴き継がれるであろう曲がセレクトされていることでしょう。

曲の選択に、「普遍性」という力を感じるのです。

それは、音楽が好きでやまない人たちから、音楽が好きでやまない人たちへの贈り物ののようです。

この本、本屋ではなく図書館で見つけました。
ほぼ全ページがカラー印刷。ジャケットを見て、解説を読んでいるだけでも満足が得られます。
でも、大半の人は我慢できなくなるんでしょうね。CDショップに駆け込ませたり、amazonでネット注文させる力があります。
僕も今度TSUTAYAを覗きに行きたいと思っています。

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2009年2月16日月曜日

『後藤アナのダジャレ教室』

著者:後藤繁榮
発行:小学館

知る人ぞ知るNHKの後藤アナ。権威ある有名なNHK『きょうの料理』の番組内で「おやじギャグ」を飛ばしているという、なんともすごいアナウンサーです。
前著『「きょうの料理」のヒミツ』が面白かったため、期待して購入しました。

前著の『「きょうの料理」のヒミツ』は後藤アナのエッセイ集でした。後藤アナの苦労話や番組に対するスタンスなどが真摯に描かれており、好感の持てるものでした。

その感覚で今回の『後藤アナのダジャレ教室』を読むと、がっかりする可能性が大きいです。
この本、一言でまとめれば、ひたすら後藤アナのダジャレが綴られているのです。これはこれで苦労して書いているとは思うのですが、何も3分の2をダジャレにしなくてもいいと思うのです。
後藤アナのダジャレファンは手放しで大喜びでしょう。「そこまでは……」という人は、後半のダジャレラッシュに疲れてしまうかもしれません。
実際、僕がそうでした。

後藤アナのダジャレが心から好き、という人には最高の1冊です。そうでない方は、前著の『「きょうの料理」のヒミツ』から読むのをお勧めします。

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2009年2月10日火曜日

中公新書『部首のはなし』

著者:阿辻哲次 ※本当は「辻」のしんにょうは点が2つ
発行:中央公論新社

漢字の専門家である阿辻さんが、大修館書店『月刊しにか』に連載していた漢字エッセイをまとめたもののようです。

この本は「知ることの喜び」を存分に刺激してくれます。

普段使って慣れ親しんでいる漢字。でも、そのすべてを知っているわけではない。なじみがあるのに、どこかつかみどころのない漢字。
そんな漢字のうんちく話がたっぷり詰まっています。

専門家の書いた本ですが、堅苦しいこともほとんどなくすらすらと読めます。1つの部首につき、4ページ構成でできていて、軽いエッセイ集の感覚で読めます。どの解説も納得いくものばかりです。知的好奇心を刺激されます。

漢字好きの小中学生に読ませたら、食いつくんでしょうね。僕がこの時期に見つけたら、間違いなく100%食いついたことでしょう。

最後まで読みきったら、すでに続編『部首のはなし2』が出版されているようです。必ず読みたいですね。

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2009年2月8日日曜日

学研新書『エア新書』

著者:石黒謙吾
発行:学習研究社

もしもあの有名人が新書を書いたら……。
どんな内容になって、どんなタイトルになるのか。

そんな想像(妄想?)をして、タイトル・サブタイトル・帯コピー・見出しを勝手にでっちあげるという、何ともすごい1冊です。
100人の有名人のエア新書(表紙と裏表紙)が掲載されています。

この本の存在を知ったのは、この『デイリーポータルZ』の「今年の“エアブーム”は『エア新書』か?」という記事を読んだときです。
この記事を読んでいるときから、興味引かれるものがありました。
気に入ったのをいくつか引用します。とはいっても著者名は伏せるので、想像して楽しむか、気になる人はこの本を購入するかしてください。

○誰だかわかりやすいもの
『バカの品格 -三人寄れば文殊の無知』
『集団はなぜ変容するのか? -グループの未来はウォウウォウウォウウォウ』
『頭の回転が50倍速くなる中高年のいじり方 -心をつかむ悲哀メニュー』

○一見??だが聞けば納得できるもの
『スローなしゃべりにしてくれ -常に冷静であれ』
『倍数を理解すれば仕事ができる -3と5と8だけじゃない数字の秘密』
『エロい人は思いつきでものを言う -エコの時代は終わったね、これからはエロ』
『なぜ、お嬢さんなのか? -言うだけで愛される魔法のコピー』
『地味でも勝てる -たんたんと、ただたんたんと』

有名人ではないのですが、100本目のこれだけは全部引用します。編集者自身がこれを書いているのが、自戒を込めた(自爆ネタとも)ネタで、これもまた気に入っています。

『それでも新書は儲かる! -考えるな、出し続けろ』
 □柳の下にはどじょうが5000匹
 □タイトル以外は文字を埋めとけばいい
 □ベルトコンベア式新書刊行法の極意
 □書店に並ぶのは1日と思え!
 □返本率90%にビビらず進め進め進め


本の冒頭「リアル新書とエア新書の考察」と称して、タイトルの傾向やネタ作りの発想法をまとめています。
ここで展開されているタイトルの傾向がまたすごいのです。「命令系」「提案系」や「疑問系−比較」「就職重ね系−直列」など、その分類とネーミングがよくできています。これを見てリアル新書と照らし合わせるのも、また面白いものです。

それにしても、新刊案内にあった陰山英男さんの『百ます計算の真実』。恥ずかしながらエア新書の延長でネタだと思いました。
「よくできているなあ。新刊案内まで作ったんだ。」
なんて感心していたら、リアル新書(本物)でまたびっくり。


○『デイリーポータルZ』の記事「今年の“エアブーム”は『エア新書』か?」
 http://portal.nifty.com/2009/01/13/c/index.htm

○この本の直接のきっかけとなった『エア新書』 ※一般投稿サイトでこの本の内容とは関係がありません
 http://airbook.jp/

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2009年2月4日水曜日

『Q.E.D.証明終了 ザ・トリック・ファイル』

監修:加藤元浩&月刊少年マガジン編集部
発行:講談社

『マガジンGREAT』に『Q.E.D.証明終了』という推理漫画が連載されています。この本は、その『Q.E.D.証明終了』のオフィシャルガイドブックです。

現在NHKでこの漫画を原作としたドラマも放送されています。

推理漫画といえば『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』が有名です。この『Q.E.D.証明終了』はそのどちらとも異なる特長と魅力を持っています。

他の推理漫画と違い、ほぼすべてが一話完結方式です。事件の発生から調査、推理、解明までが一話に納まっています。
この特長のおかげで、事件の内容を忘れてしまう危険性や、待たされるストレスから解放されるというメリットを生み出しています。

事件の内容が殺人に限らないのも大きな特長です。
学園祭の騒動を解決する話やマジックのトリックを見破る話、花屋での窃盗事件なんてのもあります。スケールの大きいものから三谷幸喜さんの舞台のように狭く限られた空間での話など、非常に多岐に渡っています。

主人公がアメリカMITを数学専攻で卒業しているので、数学・物理の話題がモチーフになることもしばしばです。最先端の成果がわかりやすく解説されていて、その世界を覗くことができます。

ようは僕はこの『Q.E.D.証明終了』が大好きなわけです。

このオフィシャルガイドブック、『Q.E.D.証明終了』を第1巻からずっと読んでいる人には、ニヤッとできる箇所がたくさんあります。

漫画の著者である加藤元浩さんのインタビューも読めます。読者に対してサービスをいかに振る舞うかがい知ることができます。

本作を第1巻から既刊の第32巻まで読んでいると、実によく楽しめます。逆に読んでいないとネタバレがあり、その後の楽しさが失われてしまいます。
『Q.E.D.証明終了』ファンにはたまらない1冊です。


それにしても連載雑誌は『マガジンGREAT』のはずなのに、月刊少年マガジン編集部が監修しているんですよね。『マガジンGREAT』って『月刊少年マガジン』の別冊なんでしたっけ? 『マガジンSPECIAL』の位置付けは? 『月刊マガジンZ』なんてのもあったような……?
謎です。


(追記)
気になったので、各月刊誌の位置づけを調べてみました。

○『月刊少年マガジン』
 純粋に、講談社の月刊少年漫画雑誌という認識でOK。

○『マガジンGREAT』
 『月刊少年マガジン』の増刊誌で、編集者も同じ。

○『マガジンSpecial』
 『週刊少年マガジン』の増刊誌で、編集者も同じ。

○『月刊マガジンZ』
 メディアミックス誌という名目(だった)。現在は廃刊。

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2009年2月2日月曜日

エクスリブリス

またまた『金魚屋古書店』第8集からのネタです。

ヨーロッパの愛書家の間には伝統的に「エクスリブリス」という習慣があるそうです。
「エクスリブリス」とは、所有者を示すための小票のことです。「エクスリブリス/EX libris」という表記と本の所有者さえ書いてあれば、大きさ・スタイルは自由だそうです。多くの場合は美術的な絵・図版と共に描かれていることが多いようです。

銅版画であったり、消しゴム版画、デジタルプリントなどでもいいようです。ということは手間はかかりますが1枚1枚手書きでも構わないのでしょう。

なお、「エクスリブリス/EX libris」とは、ラテン語で「~の蔵書から」という意味だそうです。日本語では「蔵書票」と呼ぶことが多いようです。

今回の『金魚屋古書店』では、この世に1つしかないエクスリブリスの貼られた『百花庭園の悲劇』という漫画を探す話が掲載されています。
途中、上に書いたようなエクスリブリスの解説が書かれていて、この存在をはじめて知ったのです。上で書いた解説なんかよりも、絵がある分ずっとわかりやすい開設になっています。
蛇足ですが、「たとえばこんな図版でも?」というセリフと共に、いわゆる萌絵が描かれていたのは面白かったです。そしてそこには「流行るといいですね」というセリフも。もしかしたら、これをきっかけに本当に流行ったり……なんていうのは妄想が過ぎるでしょうか。

ちょっと、自分のオリジナルエクスリブリスを作ってみたくなりました。展示会みたいな機会があったら行ってみようと思います。

○ウエブサイト『蔵書票ホームページ』
 蔵書票の解説と何人かの作品が見られるようになっています
 http://pws.prserv.net/jpinet.Exlibris/jpinet.exlibys/index.htm

○「ロマンの泉美術館」オフィシャルウエブページ
 蔵書票が展示されている新潟県西蒲原郡にある美術館
 http://www.roman-no-izumi.com/index.html

○『EXLIBRIS MUSEUM 蔵書票美術館』ウエブページ
 数多くの伝統的なエクスリブリスを見ることができます
 http://www5e.biglobe.ne.jp/~exlibris/index.html

2009年2月1日日曜日

小学館青年漫画系コミックスにおける「巻」と「集」の使い分け

漫画コミックスでは第1巻、第2巻、……、と「巻」で表現することが多いかと思います。

けれども、表題の通り、小学館の青年漫画系コミックスでは「巻」と「集」を使い分けているというのです。

その使い分けは以下の通りです。
○完結するまでは「集」を使う。つまり、第1集、第2集、……のようになります。
○完結した作品をまとめたときには「巻」を使う。つまり、全20巻のような使い方だそうです。
○以下の小学館の青年漫画系コミックスでこのならわしが存在する。
   ビッグコミックス
   IKKICOMIX
   サンデーGXコミックス
   ヤングサンデーコミックス など

金魚屋古書店の第8“集”194ページに載っていました。

これを読んでの素朴な疑問。完結した作品の途中の巻を表現するときはどうするのでしょう?
例えば、全20巻の12冊目のコミックスは第12巻なのでしょうか。それとも第12集なのでしょうか。この文からはいまいち不明です。

それにしてもこういう使い分けが生まれたのも、何か理由があるのでしょうね。そういうところも気になります。また何か見つけたらここに書き込んでおきたいと思います。