2008年12月29日月曜日

ポメラを緊急入荷しているショップ

下の記事に関連して、「ポメラ」を入荷しているショップを探してみました。どうもこの年末に緊急入荷し店があるようで、いくつかの店に在庫があるようです。まさに早い者勝ち! 興味のある人は除いてみるといいかもしれません。

おぎた文具店

white office

ナガサワ文具センター

株式会社 三成堂

以上は、12月29日(月)22時過ぎに「在庫あり」と表示されている店をピックアップしたものです。その後の売り切れについては、人気商品名だけに追いかけ切れません。

アスキー新書『ストーリーメーカー 創作のための物語論』

著者:大塚英志
発行:アスキー・メディアワークス

一言で書けば、この本は「物語を作るためのマニュアル本」です。
ストーリーの存在する物語にいくつかの共通したパターンが存在します。このパターンを、筆者である大塚さんは31の「プロット」にまとめ、本の前半では世に出回っている小説・神話・マンガなどに当てはめています。本書の後半ではパターン化されたプロットに基づいた一定の手続きを踏むことで、首尾一貫したストーリーができあがる、そのマニュアルがまとめられています。

この本を読むまでは、もっとライトな本だと正直勘違いしていました。「マニュアル」に特化した本だと思っていたのです。

本書の前半は立派な文化論です。
神話のプロットがパターンかできることから始まり、それをどう消化し、また今のコンテンツ産業に活かされているかを、とうとうと説明しています。
疲れている頭にはなかなか堪えました。

それでも読んだ価値は充分にありました。

生活が崩壊しかねないので小説はあまり読まないようにしているのですが、マンガは購入しているもののほかにも立ち読みやマンガ喫茶でそこそこ読んでいるつもりです。
そういうストーリーのある物語を分析(というと大げさですが…)するのに、役立ちそうです。
「このストーリーの展開はパターン化されたプロットだな」とか「この展開はパターンを崩してきているな」とか、そんなことがいくつか思い浮かびました。もちろん、書いている側は「パターン」なんて考えずに、それこそ身を削る想いで、まさに「創作」しているのでしょうが。

これから物語の書き手になるという人は、大いにこの本での理論が役立つだろうと思います。
決して物語の書き手でなくても、この本は物語を創る人のスキルだけでなく、読む人の視野をも広げてくれると思います。そういう意味では万人にとって有益な本でしょう。

読みごたえのある本でした。読んで良かったです。

*おまけ*

ちなみにこの文章は「ポメラ」を使って書きました。いつもは携帯電話で打ち込んで、そのまま送信しています。今回は実験的にポメラ→PC→ブログにアップという手順を踏んでみました。
やっぱり文章を打つのはキーボードであるポメラの方が圧倒的に速いですね。改めてそれを実感しました。

「ポメラ」を作ったキングジムのウエブページ
http://www.kingjim.co.jp/pomera/

2008年12月27日土曜日

『数学ガール』(上)

著者:原作…結城浩、作画…日坂水柯
発行:メディアファクトリー

小説『数学ガール』をマンガ化した作品で、コミックフラッパーに連載されているようです。
上巻では、物語の冒頭から「半径0の円」の話までです。

小説版は数式が遠慮なく出てくるので、それがマンガになるとどうなるのか非常に興味がありました。思ったよりも違和感なく読めるのに驚きです。

小説がマンガとして再び表現されるとき、2つの不安を抱きます。

1つは小説がどこまで再現されるのか。
小説がマンガやアニメ化されるとき、その制約上、話を縮めることはよくあることです。ページの都合だったり、話数の都合だったり、表現方法の違いだったり、ひどいときは大人の都合だったり、理由は様々です。
今回の『数学ガール』では大きな違和感なく展開されてて、正直意外でした。

2つ目は小説では想像に任されていたのが、絵となって表現されてしまうことです。
登場人物の顔が最たるものでしょう。小説を読んでいるときは自分だけの「僕」「ミルカさん」「テトラちゃん」がいるわけですから。
実ははじめ違和感がありました。けれども読み終わる頃には違和感がなくなっていました。作画の力なのか、はたまた僕の適応能力の問題なのか?
「僕」と「ミルカさん」の肉筆って、こんなだったのですね。なんとなく納得してしまいました。

買おうかどうか迷っていたのですが、思い切って購入して正解でした。
下巻も楽しみです。数学的な伏線を回収し切れるのでしょうか。ちょっぴり心配です。

そういえば、『数学セミナー』2009年1月号に、原作者結城さんのインタビューが掲載されていました。これも面白かったです。

ところで、こういう「数学+青春」という今まで考えられなかったようなジャンルがマンガになり、天文部・書道部・カルタ部がマンガになり、まだまだマンガの表現の可能性は尽きてないのを感じます。
ルポや日常系のマンガの勢いも感じます。『カラスヤサトシ』しかり『ぼく、オタリーマン』しかり『ツレがうつになりまして。』しかり『ダーリンは外国人』しかり……。今日立ち読みした『理系クン』も面白かったです。
まだメジャーになっていないでくすぶっている才能ある人たちが、来年あたりまだまだ出てくるんでしょうね。応援したいと思います。

天文部
書道部
カルタ部

2009年1月19日追記
『数学ガール』原作者である結城浩さんのブログに、この感想が引用されていました。なんてマメな方なんでしょう。驚きと感激で何と言っていいやらわかりません。ありがとうございます!
 結城浩のはてな日記
 『数学ガール』言及リンク集(67)の上から5つ目が僕のです。
 http://d.hatena.ne.jp/hyuki/20090118

『折れない心の作り方』

著者:齋藤孝
発行:文藝春秋

「折れない心」を作るために、縁・深く交わる力・アイデンティティの3つを大事にしようと呼び掛ける本です。

どの話も非常に納得いくものだったのですが、今の自分には重く突き刺さるものがありました。

自分のことがうまくコントロールできずに数週間。起きても身体を動かしたくない、何か考えてもイヤなことが頭をもたげます。何をしたらいいのか、何ができるのか、いや何もできないんじゃないかと、いやそんなこともないだろうと自問自答する日々です。

人と人の関連性の中に自分が位置付けられるわけで、その位置付けが希薄になったとき、何とも言えぬ不安に襲われます。
今でも回りに支えられていて、感謝とお詫びの念でいっぱいなのですが、それが自分を突き動かすエネルギーとはなりません。

アイデンティティが失われるようなことが起きたわけではないのですが、集中も続かないし、やる気もあまりおきません。

著者の齋藤孝さんにも、つらい時期があったとのことです。そんなとき心の支えになったのが「本」だったらしいです。
小説の登場人物に自分を投影してみたり、歴史上の人物に想いをはせたり、そんな経験が貴重であったと明言されています。

今のこの苦しみを乗り越えられるその時を夢見て、がんばります。この時期が懐かしいと言えるようになりたいです。

2008年12月24日水曜日

『プライムナンバーズ−魅惑的で楽しい素数の事典』

著者:デイビッド・ウェルズ
監訳:伊地知宏
訳者:さかいなおみ
発行:オライリー・ジャパン

一言で書き表せば「素数事典」です。

「1とその数自身しか約数を持たない自然数」、すなわち「約数を2個しか持たない自然数」を巡って、古今東西、多くの数学者が魅了されてきました。そんな数学者たちの努力の結晶とも言える本です。

事典の名にふさわしく、総ページ数は319ページ! 知らなかった項目が多く、これだけの情報を他所から集めてくるのは骨が折れるでしょう。
まさに「素数事典」。筆者の地道な努力に感服します。

かつて5000冊しか発行されていないといわれる『数の事典』を古本屋で購入し、それを読んだときと同じような興奮を覚えました。
なんとなく既視感を感じたのですが、やはり同じ筆者が書いていました。

シリーズで何冊か刊行されるという話もあるようです。次が楽しみです。

オライリー・ジャパンのウェブページにこの『プライムナンバーズ』の目次が掲載されていました。参考までにどうぞ。
http://www.oreilly.co.jp/books/9784873113807/

『できる子が育つ黄金の時間割』

著者:中畑千弘
監修:鈴木博道
発行:ダイヤモンド社

子どもが10歳になるまでお母さんが心掛けるべきことをまとめた本です。

決して奇抜なことは書いてありません。結論を一言でまとめてしまうと「親子で共通の時間を持とう!」というだけです。

とはいっても具体的な事例が多く書かれているので、参考になることは多いかもしれません。

『ブレイン・ティーザー ビジネス頭を創る100の難問』

著者:ジョン・ケイドー
訳:花塚恵
監修:勝間和代
発行:ディスカヴァー・トゥエンティーワン

……どう紹介しようか非常に迷う本です。ここで書くのをやめて文章をアップしてしまいたいくらいです。

マイクロソフトやグーグルのような外資系企業の採用面接で尋ねられる(らしい)質問を100題掲載している本です。

そこには
○ラテラルシンキング問題(=常識の範疇の枠を越えて思考しなければならない問題/水平思考)
○ロジカルシンキング問題(=数学・パズル)
○フェルミ推定(=概算見積問題)
○ビジネスケース問題
と呼ばれる項目が並んでいます。

ラテラルシンキング問題は『頭の体操』に出題されそうな問題(部分的に共通する問題あり)と思えばイメージがつくかもしれません。一見不可能に見える状況でも問題文に穴があったり、色メガネで見てしまうがゆえに解けなくなってしまう問題です。

ロジカルシンキング問題は数学やパズルの問題です。ツッコミどころ満載なのですが、後に回します。

フェルミ推定問題はアバウトに何かの値を求める文章題です。
有名なのは「アメリカにはピアノ調律士は何人いる?」というものです。ヤマカンで「10000人!」と答えるのではなく、自分でモデルを立てそこから計算していくものです。

ビジネスケース問題は、面接の場で「××してください」という課題に答えるものです。面白かったのは「ビル・ゲイツ氏の浴室を設計してください」です。

……と、ここまでまとめました。
後半のフェルミ推定問題とビジネスケース問題はいいんです。面接で出題する意図もなんとなくわかるからです。条件が不足する状況下でイマジネーションで補ったりコミュニケーションで引き出す力を見ているのだろうと思います。

問題は前半のラテラルシンキング問題とロジカルシンキング問題です。

思考力を見るならペーパーテストで論述式で問えばいいのにと思います。
でも、これはこの本の内容とは直接関わりがありません。

ラテラルシンキング問題もロジカルシンキング問題も間違いがあちらこちらにあるのが問題です。
もちろん出題者の思惑を越えたすばらしい解答もありえます。これは差し支えありません。

1問、2問のレベルじゃなくて間違いがたくさんあるのです。
一番多いのは解説の誤り。ロジカルな考えをまったくしていないのがあります。
次に多いのは解答の間違い。理科の問題にありました。
最後に問題の間違い。冠詞の「a/an」を「1つ」と訳していないがゆえに、問題に条件不足が発生しています。
ただでさえ難問だったので、余計難儀しました。

予測で大胆なことを書くと、著者のジョン・ケイドーさんはほぼコピー&ペイストで本を書き上げている気がします。
異様に解説が詳しい問題は必ずどこかの引用です。解説が短いときは「考えてみよう」か「先程と同じで」で済ましてしまっています。
自分で解いていない気がするんです。

ここまでは原著の話です。
僕が読んだのは翻訳書です。やっぱり翻訳の人も解いていないか疑問も持たず受け止めたのでしょうか。
監修って何をしたんでしょう。解説、わかりにくいんですが。

この本をどう勧めるべきか困ってしまいます。ケチョンケチョンに書くのは趣味ではないので。

この本にはおかしいところがたくさんあるのを前提に、その誤りを見つけるのを目的とするならば、この本が目標とするところを(皮肉にも)達成できます。

パズルとしてこの本を楽しもうと思うならば、部分的に解くくらいがいいでしょう。他書にない良問も多く収録されています。古典的な問題も多いです。
しかし、それ以外はやめた方がいいかもしれません。疲れるだけです。

就活が目的であれば、フェルミ推定とビジネスケース問題のところはおおいに参考になります。面接官と受験者の応答例がどこからか引用されています。イメージ作りに役立ちそうです。
ラテラルシンキング問題とロジカルシンキング問題は間違いのない本や定評のある本で学ぶべきでしょう。

最後に、出版がまたディスカヴァー・トゥエンティーワンなのです。今月、おかしな理系本をつかんだの2回目です。
ちょっと悲しい気分になってしまいます。
いい本をたくさん出している出版社だと思っているので、ぜひがんばってほしいと思います。

2008年12月23日火曜日

ブルーバックス『「分かりやすい教え方」の技術 「教え上手」になるための13のポイント』

著者:藤沢晃治
発行:講談社

知識や技術を教えるときに必要な心構えと技術を項目に分けて解説した本です。
先生と生徒の関係に限らず、上司と部下、親と子など、教える立場から教えられる立場があればそのすべてに応用できます。

以前同じ著者から『「分かりやすい説明」の技術』『「分かりやすい表現」の技術』『「分かりやすい文章」の技術』という「分かりやすい」シリーズが刊行されています。

伝える情報が「分けやすい」状態のときに「分かりやすい」と思ってもらえます。口で伝えるのでも、文章で伝えるのでも、図表で伝えるのでもそれは同じです。

「分けやすい」=「分かりやすい」という原則をここで学び、インパクトを残した本でした。読んだのはかなり前で記録なども録っていませんが、今でも印象に残っています。

その期待感で読んでいくと物足りなさを感じます。よく整理されているのでしょうが、考察に深みが感じられないのと、具体例が頭で考えた例なので現実にそぐわない感じがしてしまうのです。

そんなことはいっても「教える」立場の人たちにとっては学ぶことがたくさんあるはずです。
本書にも書かれていますが、指導意識のまったくない上司、自分の力で引き上げてやろうという意識のない先生、なんでこの子は言うことを聞いてくれないのと叫びたいお母さん、そんな人たちにお勧めします。

この「分かりやすい教え方」で意識と心構え改革をし、その後は立場に応じて「分かりやすい説明」「分かりやすい表現」「分かりやすい文章」に移行するのがいいと思います。

2008年12月22日月曜日

『一生使える国語力 四つの力で文章が読める』

著者:石原大作
発行:筑摩書房

国語力を「構文力」「単語力」「文脈力」「常識力」という4つの力に分解し、その1つ1つの力の正体について詳しく解説した本です。基本的にら大学受験生向けに書かれた本ですが、場合によっては高校受験生が読んでも役に立つでしょう。

国語の先生が書いているだけにかなり読みやすい構成になっています。もしも国語の先生が読みにくい文章を書いていたら、それだけで信頼を失ってしまいます。この本についてはその心配はまったくありません。

国語の勉強の仕方がわからない、もしくは国語という教科は勉強するのではなくセンスで解くものだと勘違いしている人には福音になるでしょう。
決して奇をてらわず、オーソドックスな本質的な解き方を目指している気がします。

残念なのが解説が評論に片寄ってしまっている点です。小説で困っている受験生には向かないでしょう。

個人的にはこういう本は文章の書き方の点検になるから好きなのです。
真っ当な読み方をしたとき−例えば、接続語や指示語に気をつけるとか、対比や言い換え表現をとらえるとか−にすんなり読めるように書くと、だいたいは読みやすい文章になるような気がするのです。
かつてそういう書き方を気にするようになってから読解問題が解けるようになったという経験があります。

あえて厳密にしなかったのでしょうが、気になる点もありました。
「AはBである」という日本語の文を、すべて「A=B」で解説していたので、多少苦しい点がありました。
「AはBである」という日本語の文は「AはBの要素(一部)である」(注)という場合があります。数学の記号を使うと「A⊂B」や「A∈B」となります。
その点を意識するともっと読みやすくなるかもしれません。

けれどもその点を差し置いても読みやすいことには変わりないのでオススメです。


(注)
例えば、「ポチは犬である。犬は動物である。」という文からは「ポチは動物である。」という結論を導いても不自然はありません。
けれども、「ポチは犬である。バウは犬である。」という文から「ポチはバウである。」なんて結論を下したら、頭がおかしくなったのかと心配されるでしょう。

イコールの関係で考えると前者はともかく後者は説明できません。
前者は「A=B、B=C」ならば「A=C」に見え、後者は「A=C、B=C」ならば「A=B」に見えて、三段論法に疑いを持ち、混乱してしまいます。

でも、後者を「A⊂C、B⊂C」ならば「A⊂B」と書いた瞬間、それはおかしいと気付けます。(厳密には∈を使うべきですが)

イコール関係はガンガン=で結んでいいのですが、包含関係は順序を考えなくてはならないのでやっかいです。
図示するときも数学におけるベン図になります。

こういうところが日本語の難しさであり、同時に面白さだと思うのです。

本書と関係ない話で脱線しました。

2008年12月21日日曜日

『CD付 英語スピード読解力』

著者:中山伸幸
発行:PHP研究所

英語を語順通りに読めるようにするためのトレーニングテキストです。分類としては大学受験用の参考書になります。
いわゆる「返り読み」禁じていて、リーディング・リスニング・スピーキングを繰り返すことでそれが可能になると説いています。

入試問題から引用していないのに好感を持ちました。入試問題から引用した方がある意味楽なのですが、それをまったくしていません。厳選された長文ばかりで、どれも読みごたえがありました。
受験のためだけではなく、その後まで使える英語力を付けさせたいという意気込みを感じます。

文法解説・単語解説も類書とは一線を画しています。

興味のある人限定ですが、読んでみると面白いと思います。

青春新書『一年は、なぜ年々速くなるのか』

著者:竹内薫
発行:青春出版社

1年が年々速く感じられる理由について、物理学、生物学、脳科学、哲学といった見地から仮説を立て、それらを検証していく本です。

人が「1年があっという間にすぎたなあ」と感じる速さは、それまで過ごした人生の長さと比べるから速く感じられるのだ、と耳にしたことがあります。
10歳の子にとっての1年は人生の10分の1にしかすぎませんが、50歳の人にとっての1年は人生の50分の1になり、単純比較で感じている時間が5分の1になってしまします。

この説(ダプソン仮説というのだそうです)を紹介しながら話はどんどん膨らんでいきます。

途中、『ゾウの時間、ネズミの時間』をオマージュした部分は懐かしかったです。生物が体感する時間の速さは、生物のスケールに依存するという話です。

後半の鈴木光司さんの「時間が速くならない工夫」には驚きました。
ただ忙しく追われてルーティンに陥ると、そのときは充実しているかもしれない。けれども、それは後で振り返ったら印象として記憶に残らず、薄っぺらいものになってしまう。だから、ルーティンに陥らないように毎日変化のある日々、年月を重ねて濃い時間を送っているというのです。

人が(他の動物も?)時間というのは2種類あって、「現在進行形で感じる時間」と「過去形で感じる時間」とがあるようです。
「現在進行形で感じる時間」というのは、楽しい時間はあっという間に過ぎ、退屈な時間はなかなか経過しない類のものです。
「過去形で感じる時間」というのは、あの頃はたのしかったなあ、あんなことやこんなこともあったし、なんて振り返ったり語ったりできるような時間です。

「現在進行形で感じる時間」が速く過ぎ去ったとしても「過去形で感じる時間」が長ければ、充実した人生になるのだということに気付けました。

表題の「1年が年々速く感じられる理由」については、もっと深いところまで著者の竹内さんは書かれています。
でも、その理由を知る以上の収穫がありました。読んで良かったです。忙しくて時だけがあっという間に過ぎるという人にこそオススメです。ヘタなビジネス書よりもよっぽどためになるはずです。

2008年12月20日土曜日

『チラシデザイン見本帳』

著者:芳賀正晴
発行:エムディエヌコーポレーション

以前読んだ『人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方』で紹介されていた本を読んでみました。
チラシをデザインする上での注意点やコツなどを、項目ごとに解説した本です。

読み物としてすべてを一気に読むのもいいでしょうし、作成中必要に応じて閲覧するのもいいと思います。

基本レイアウトや色使い、シグ(広告主を明示した部分)の置き方、リズム感のある配置文字組の工夫、……など学ぶことがたくさんありました。

1色刷り・2色刷りチラシのこともきちんと解説されていたのでありがたかったです。

業種別チラシのサンプル集もあり、いい刺激になりました。

この分野の勉強をもう少ししてみようと思います。

2008年12月19日金曜日

『肩こり・首こりが本当によくなる本−こりが原因の頭痛も解消!』

著者:寺本純
発行:保健同人社

本のタイトルの通り、肩こり・首こりの原因や、これらが引き起こす頭痛などについて解説した本です。

意識する、しないに関わらず、筋肉が継続的に収縮運動をすることがあるようです。こういう筋肉の不随意運動を「ジストニア」と呼ぶそうで、このジストニアが原因の肩こり・首こりも存在しているそうです。

マッサージや整体による治療もありますが、ジストニアが原因の1つであるならば薬による治療も有用であると筆者は書かれています。
とはいっても、日進月歩の医療の現場でジストニアの研究は真玉だ発展途上のようです。

これからの研究が待たれます。

『心がぽかぽかするニュース HAPPY NEWS 2007』

編者:日本新聞協会
発行:文藝春秋

年々盛り上がりを見せているらしい「HAPPY NEWS」の最新刊です。

日常の出来事はニュースにはならず、それがいい知らせにしろ、悪い知らせにしろ、非日常の出来事だからニュースになる……こんな主旨のことを糸井重里さんがかつて書いていた気がします。

非日常の中にあるちょっとしたハッピーなできごとが人の気持ちをぽかぽかさせてくれたり、尋常ならざる継続が人の気持ちを揺り動かし勇気づけてくれたりします。

この本の中には、そんな「ぽかぽか」と「勇気づけ」に溢れています。

今回、心に響いたのは
○父の背追い 消防士に
○たった一つの命だから
○86歳 数学に夢中
○姉と弟
○全盲スイマー V4照準
です。

これもネットで購入しました。本屋で見かけたことがないのですが、こういう本こそ本屋に並んでくれたらいいのに、と思います。

2008年12月17日水曜日

王様文庫『2週間で目が驚くほど良くなる本』

著者:松崎五三男
発行:三笠書房

ネットで勢い余って買った本です。中身を見ずにこういう本を買うことはないのですが、当時気持ちが病んでいたがゆえに、買ってしまったのでしょう。

効果があるかどうかはわかりませんが、試してみる価値があるような気がします。理屈からいえば至極当然の原理が書いてあり、トレーニング方法としても気をてらうものでもありません。
しばらくトレーニングしてみようと思います。

それにしても効果が上がった人達から寄せられたという文章が掲載されているのですが、若干の胡散臭さを感じるのは僕だけでしょうか??
あるべきある言葉がまったく存在しないのと、全文章に類似点があるのです。
著者ではない誰か(編集者?)がまとめて書いた雰囲気を感じます。証拠なんかないので偶然かもしれませんが。
まあ、効果があればそんなこと関係ないのですが。

2008年12月16日火曜日

『心がぽかぽかするニュース HAPPY NEWS 2006』

著者:日本新聞協会
発行:文藝春秋

以前読んだ『HAPPY NEWS』の続編にあたる本です。
全国の新聞記事から心温まるものを集めて構成されています。

記事を読んでも、選者の言葉を読んでも、そこに人生があるのを感じます。
長い努力が実ったり、人生・人生観が変わる出来事があったり、偶然の産物により救われたり、……。その当事者にしか語れない言葉が書かれています。

特に印象に残った言葉は
   我慢の力で 幸福の花を 咲かせよう
というものです。

その他、心に染みたものを列挙すると、
○「苦労わかるよ」染みた
○リンゴ農家の涙
○サンタさんのソリ
○夢へ新たな一歩
○施設で見つけた大きな夢
○県内初、全盲の高校教師に

少し元気が出てきた気がします。

『略語天国』

著者:藤井青銅
発行:小学館

津々浦々の略語を筆者独自の視点で分類、考察を加えたものです。
「ABab略語」や「犬棒略語」、「オフビート略語」や「ヤンキー略語」、はたまた「全・日χ協・連」など30の項目に分けて解説しています。

以前、同じ著者の『あんまりな名前』を読みましたが、この『略語天国』も負けず劣らず面白かったです。

こんなにも略語にあふれ、そしてわかったつもりになって使っていたのにも改めて気付きました。

全編を通して「略語検定」と題した問題仕立てになっています。1人で解くのもよし、仲間とワイワイ言いながら解くのもよし、はたまたクイズ仕立てにして周りに出題しても盛り上がることでしょう。
ちなみに僕は1000点満点中517点。3級の凡略だそうです。
5点問題の大半が答えられなかったので、やむなしといったところでしょうか。

1冊1冊に魂を込めて書いているのでしょう。筆者である藤井青銅さんの本は楽しく読めます。
最近のビジネス書ブームとは一線を画しています。いわゆる「焼き直し」が多く、がっかりすることもたびたびです。
ビジネス書は発行点数も多く売り上げも多い、つまり需要と供給が多い状況で、多くの本屋がビジネス書を目立つ位置にたくさん並べています。需要がある以上、当然のことだと思うのです。
けれども、そのせいかどうかはわかりませんが、こういった良書が本屋から姿を消してしまうのは違うよなと思ってしまいます。

なんかまとまりつかなくなっていますが、最近ぼんやりと考えていることです。

2008年12月15日月曜日

『センネン画報』

著者:今日マチ子
発行:太田出版

何とも不思議な世界観を持ったマンガです。

ほぼすべてのマンガが1ページ単位で構成されています。
壮大なストーリーがあるわけでもありません。大きなドラマが起こるわけでもありません。
かといって日常を切り取ったエッセイマンガでもありません。

高校生とおぼしき男女のカップルの日常生活を−まるで写真を見ているかのように−描いています。

セリフ・ト書きもほとんど登場しません。タイトルとコマ割りを含めた絵しか描かれていないページがほとんどです。
多くを語らないので、その先の展開を想像させる話もあります。唐突すぎて何が起きたのかわからないまま終わる話もあります。

近景・中景・遠景の使い分けがそうさせるのかもしれません。映画のカメラワークを彷彿とさせます。

とにかく他にはない独特の世界がここにはあります。

なんだか不思議な気分になれるマンガです。ブログもあるようですので、覗いてみてもいいかもしれません。 センネン画報 http://diary.jp.aol.com/juicyfruits/

『心がぽかぽかするニュース』

編者:日本新聞協会
発行:文藝春秋

以前読んだ『HAPPY NEWS』の続編にあたる本です。読んでHAPPYな気持ちにさせてくれる新聞記事を集めたものです。これらはすべて「HAPPY NEWSキャンペーン」で応募されたものから厳選されているようです。

暗いニュース、悲しくなるニュースが多い中で、こういう気持ちが温かくなるニュースは読んでいて嬉しくなります。

どれも良かったのですが、特に印象に残ったのは……

○心支えた捨て犬「クロ」
○「悲しくても元気で」
○野球少年の思い 心で聴き続けた18年
○涙の理由
○51回目のサンタ円熟
○金婚式 苦楽を共に50年

こういう本がもっともっと世間で認知されたらいいのにと思います。

ソニー・マガジンズ新書『アニメ×アニソン101連発QRコード付 いつだって゛星屑ロンリネス゛と口ずさんでいた』

編著者:レッカ社
ライティング:さいとうよしこ
発行:ソニー・マガジンズ

唄って楽しいアニソン、聞いてワクワクするアニソンを次々と紹介する本です。

それぞれのアニソンの特徴や聴きどころだけでなく、各アニメの設定などもしっかり書き込まれており、新しく知ったこともたくさんありました。

中身がいいだけに、残念なことがあります。歌詞や楽譜が書かれているわけではありません。歌詞・楽譜を期待して読むとがっかりします。

本のコンセプトがいいだけに残念です。著作権の壁を思わぬところで感じてしまいました。

同じコンセプトで歌詞や楽譜が掲載された本が出たら、うれしいですね。それが叶わないなら、本の掲載順に歌が収録されたCDを売り出してくれてもうれしいです。

101曲というキリの良さで切られたのでしょうが、1980年代後半の曲も入っていれば、自分にとってなおヒットだったと思います。

ところで、編著者のレッカ社、ライティングのさいとうよしこ氏っていったい?!
なんかオトナの事情を感じてしまうのは僕だけでしょうか?

2008年12月12日金曜日

ディスカヴァー携書『消える学力、消えない学力 算数で一生消えない論理思考力を育てる方法』

著者:田中保成
発行:ディスカヴァー・トゥエンティーワン

伝えたい主旨は大層な事なののですが、残念ながら中身の伴っていない本です。どちらかといえばトンデモ本の部類です。
多分、筆者は本気でこれを書いているだけにますます片腹痛いことになっています。

間違いが多すぎるのが、一番気になります。算数を専門、または趣味としている人は気付けても、読者対象であるお母さんたちはこれをそのまま受け止めると思うとゾッとします。

あきらかな勉強・研究不足も散見されました。
自信がないのでしょうか。出てくる事例が唐突に、いや不自然に数学になることもしばしば。

最後の入試問題の選出にも疑問を抱きました。名だたる最上位校が並んでいるのですが、実際の問題はやたらと簡単……。もちろん世間一般から見たら難しい部類なんでしょうが、ならば学校名を出す必要性も感じません。筆者の意図を聞いてみたいものです。

算数の内容はともかくとして、文章は上手な方だと思います。(……としかフォローしようがありません!)

出版社であるディスカヴァー・トゥエンティーワンの本には信頼を置いていたのですが、今回のこの1冊で揺らいでしまいました。実に残念です。

『クジラの彼』

著者:有川浩
発行:角川書店

相変わらずのベタ甘ラブロマでした。6つの短篇からなる恋愛小説です。

以前読んだ『阪急電車』『図書館戦争(シリーズ)』と今回の『クジラの彼』を読んでて気付いたことがあります。 この有川さんが書く登場人物の言動が非常にロジカルであるということです。 ロジカルと書くと感情・情で動く人物がいないような気がしてしまいます。ここでいうロジカルというのは論理的だということではありません。 登場人物の書き込みがしっかりしていて、その行動・発言に納得がいくのです。この点を指してロジカルだと感じ入るのです。

この意味でのロジカルという点では、入試問題として向いている気がします。どこか出題しませんかね。(もしかしたら出題済みかもしれませんが……)

あともう1つ感じたこと。それは安心感です。 有川さんが描く安心感は、ヒーローとヒロインが必ず結ばれて幸せになるのを見られることです。読み手である僕らは、どう結ばれるかに集中できるのが安心できるのです。 ラブロマ・ラブコメ漫画にありがちなライバルも登場しません。脇役は脇役として、その役割をまっとうします。 もちろん波乱もハードルも登場します。けれどもそれをきっちり乗り越えていくのが、読んでいてほほえましいのです。

いつになくいっぱい書いたけど、作品そのものの感想を書いていない気がします。でも充分満足なので、これでアップします。

『秘伝 算数ができる子になる』

著者:朝倉仁
発行:小学館

子どもたちよりも、学齢期の子を持つお母さんたちに向けて書かれた啓蒙書です。算数そのもの解説にとどまらず、筆者の算数に対する思い入れ、母子の塾に対するあるべきスタンス、中学受験のメリット、子どもたちのこころの動きなど、その話題は多岐に渡っています。

この本を読んで、衝撃と自分の未熟さと感動を同時に味わいました。自分にはまだまだできることがたくさんあるのを感じました。勉強・研究をもっともっとしたいと思いました。
そういう意味で励まされた本です。

2008年12月11日木曜日

講談社+α新書『人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方』

著者:牟田静香
発行:講談社

講座・イベントに人が集まるかどうかは、講座の中身の前に、講座を魅力的に見せるのが大事だと事例を豊富に交えて説いている本です。

同じ講座の内容でも、チラシの作り方、タイトルの付け方、宣伝の仕方でいかようにも変わるのを思い知らされました。

実際、僕自身も本のタイトルに惹かれて手に取って、前書きと目次を読んで購入しているわけですから、説得力は充分です。

この人の講演に足を運んでみたくなりました。調べてみようと思います。

それにしてもタイトルに読点(、)が付いているのには衝撃的だったのですが、一般的にはどうなのでしょう?

2008年12月9日火曜日

2008年12月8日月曜日

2008年12月7日日曜日

『やる気のスイッチ!』

著者:山崎拓巳
発行:サンクチュアリ出版

ブルーバックス『離散数学「数え上げ理論」 「おみやげの配り方」から「Nクイーン問題」まで』

著者:野崎昭弘 ※崎の右上は大ではなく立
発行:講談社

2008年12月6日土曜日

『HAPPY NEWS』

著者:日本新聞協会+HAPPY NEWS実行委員会
発行:マガジンハウス

サイエンス新書『家族で楽しむおもしろ科学実験 キッチンで作って・食べて・科学する』

著者:尾嶋好美
発行:ソフトバンククリエイティブ

集英社新書『悩む力』

著者:姜尚中(カンサンジュン)
発行:集英社