著者:風本真吾
発行:宝島社
表紙に、あたかもサブタイトルであるかのように次のような文言が記されています。
身長が「伸びるしくみ」「伸びない原因」を医学する
最近「栄養療法」に傾倒しています。その影響から、本屋や図書館を訪ねると、医学・栄養学関連の書棚にも目を配るようになりました。そんな中で見つけた本です。
「身長を伸ばす」というと、素人判断で、カルシウムを摂って運動してよく寝ればいいんだろうなんて考えてしまいます。はたまた、身長なんて遺伝で決まるのさと居直ってしまいたくなります。
「身長」というものを医学の目で見ると、そんな素人判断の多くは誤りであるようです。
身長は一定のペースで伸びていくものではありません。成長期にはグンと伸び、そうでない時期にはジワジワとしか伸びない。こんなことは当たり前の事実です。けれども、「成長期にどのくらい身長が伸びるのか」とか「成長期前にはどんなペースで身長が伸びるのか」とかを数値として正確に知っている人は少ないでしょう。
この本にはそんなデータが掲載されていて、そこから導かれる結論として4歳0ヶ月時の身長から最終身長が予測できると宣伝しています。その予測通りの最終身長で収まるのか、それともそれを超える身長になるのか。こんなことを左右するコツも掲載されています。
類書があまり存在しないという点で、非常にユニークな本であると思います。
法則やコツなどの事実関連はよく書けているのですが、それを証拠づけるデータが掲載されていないのが残念です。また、他の方の同様の研究からの引用があると、なお良いのですが、そのような記述も見あたりません。このように残念な点もありますが、それを補ってもなお、面白い本です。ああ、なるほどなあ、と思うこと請け合いです。
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